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ReadingAgileSamuraiInFukuoka20130117
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始めてのワークショップ形式で行うので張り切っていたのですが、この冬一番の雪に見舞われてしまいました。雪の影響で、車で来られていた方が参加できなくなったり、交通機関などの乱れで開始も少し遅れました。
人数が少なかったのでチーム分けはせず、全員で一つのインセプションデッキを作りました。 やっぱり、手を動かしながら考えるのはとても楽しかったですよ〜。
- 日時: 2013/1/17(木) 19:30 - 21:30
- 場所: AIP Cafe (福岡県福岡市中央区大名1丁目14-28 第一松村ビル 302)
- 予習範囲: 第3章および第4章
- 参加者数: 5名
- 参加登録: atnd
- 懇親会: 餃子屋 弐ノ弐 大名店 21:30〜
第3章および第4章に登場するインセプションデッキを、実際に作ってみるワークショップを行いました。
インセプションデッキのうち今回作成したのは第4章に登場する以下のものです。
- 我われはなぜここにいるのか?
- エレベーターピッチ
- パッケージデザイン
- やらないことリスト
- 「ご近所さん」を探せ
Scrum Boot Camp in 福岡 のワークショップで出てきた「社内飲み会管理システム」を題材として拝借することにしました。なかなか参加者が返事してくれなかったり、あれやこれやと注文を付けられたり、何かと大変な社内飲み会の幹事。
幹事が楽になるシステムを作るためにプロジェクトチームが招集された、という状況設定です。
社内飲み会の幹事になりきるために共感図を書いてみました。
共感図は、Scrum Regional Gathering Tokyo 2013のワークショップの一つである、The New New Product Development with Lean Canvasに参加した際に知った、親和図法の一つです。ある人物像をチームメンバー同士で共有する際に使うもので、ペルソナに似ていますが、性格などの詳細に立ち入るのではなく、五感をキーに「共感する」ことでシンプルかつスピーディーに人物像を明らかにすることができます。 Gamestormingという書籍に載っているそうです。
幹事を経験したことのある人なら当たり前に思うこと、逆に当たり前すぎて忘れていることが、図なしより明らかに発展的に共有されたのではないかと思います。
仮想プロジェクトなので、どうしてもこのシステムを作りたい!というモチベーションがかなり低い状態です。その状態でインセプションデッキを作るのは困難が予想されるため、ここでは、システムで必要となることを明らかにするためにストーリーを抽出してみました。少し具体的になってくれば、少なからず作りたいと思う動機が生まれるのでは?という算段です。
ちなみに、ストーリーはアジャイルサムライでは、第6章で扱われる内容ですので、ここではストーリーの細かい話は抜きにして、システムを表現する以下の文章をたくさん作ってみることに集中しました。
[ユーザ・役割]は[要望・要求]したい(なぜなら[理由]だから)
その結果、抽出されたのが以下のストーリーです。
この段階のストーリーはとにかく数を出してみるのが大事ですね。
ここまで準備を行なってきて、このシステムを作成する一番モチベーションを持っている人に顧客役を務めてもらうことにしました。 準備もできたので早速デッキの作成に入っていきます。
単純になぜ?と言われても、「〜システムを作るため」「幹事を楽にするため」という答えで終わってしまいます。そこで、「このシステムは当初社内で使うが、ゆくゆくは他の会社にも販売していく」「少なくとも『幹事業務の効率化』を超える価値を生み出す必要がある」という、ちょっと挑戦的な目標を設定しました。
その結果、「誰が買ってくれるのだろう?」「何を 売り にすべきなのだろう?」という議論が起きたのは良かったです。
最終的には時間切れでこうなりました。
「飲み会への女性の参加割合を上げるため」
これだけだと、なにもシステム化で解決する必然性はないですね…。 他のデッキを作った後に、もう一度戻ってきて考え直してもいいのかもしれないと感じました。
エレベーターピッチは難関です。そのため、出しやすい部分から素材を集めて置いて、最後に文章にすることにしました。
ここでは、以下の順番で議論を進めました。
- 競合製品 or 代替手段
- 優位性
- 利用するメリット or 理由
- 潜在ニーズ or 課題
- 対象顧客
- プロダクトの端的な表現
- プロダクト名
話しやすいところからタイムボックスを設定して話し、あちこち行き来しながら落とし込んでいきました。できたピッチは以下のとおり。
- 組織の多様性を担保したい
- 組織リーダー向けの
- XXXというプロダクトは、
- 飲み会を社内の信頼関係向上の場に変えるシステムです。
- これは女性の感覚に訴えるができ、
- グループウェアやATNDとは違って
- 女性の意見が反映されやすいという特徴を備えています。
最終的には時間切れでプロダクト名が決まらなかったので、懇親会で話そうということになりました(結局話すの忘れていましたが…)。
効能はエレベーターピッチで結構考えていたので、そんなに難しくはありませんでした。
- メンバーのモチベーションが上がる
- 女性が活躍できる組織になる
- そもそも飲み会が楽しくなる
でも、実際のパッケージに載せる写真とキャッチコピーは、残念ながら時間が足りなくて手を付けられませんでした。
制約がないと、やらないことを決められません。仮想プロジェクトには制約が無いので、予算100万円という制約を課しました。
時間がなかったので、ざっと各人が項目を挙げただけで、予算制約に対して本当にやる・やらないの議論まで至りませんでした。この辺りは、やはりリアリティがないと難しいですね。
これも、「やらないことリスト」と同じく、リアリティが無いと出すのはなかなか難しいですね。
逆に、共感図のように開発に必要な役割を幾つか書いた図を用意し、「この役割は誰が関係するんだろう」という感じで出していくとご近所さんが抽出できるかもしれないなあと思ったり。
ワークショップを始める前に少し話したのですが、アジャイルサムライを読む限り、インセプションデッキのアンチパターンは以下のことなんだろうと思います。
- 合意を目的にすること
- 完璧に作りあげようとすること
- 作った後、棚にしまっておくこと
今回はちょっと時間配分がよろしくなくて、後半が駆け足になってしまったのは残念でしたが、以下のような感想がでていたのでやった意義は十分あったのかなと思います。
- たいてい、こういう話をすると議論が発散してうやむやになってしまう
- この短時間でここまでのことをまとめるって、結構すごいことかも
- プロジェクトを進める上で必要最低限の部分は少なくとも共有できた
アンチパターンの「棚にしまっておく」については検証できないですが、その他の2つについてはこの感想に答えがあるような気がします。
- 今回作ったインセプションデッキを次回プレゼンし、今回参加していなかった人に伝わるかどうか見てみたい
- 第5章に書かれている残りのインセプションデッキを作ってみたい
- できれば複数チームでデッキを作って、その差異をみてみたい
- インセプションデッキを現場でやる際の障害は何か、どうやったら使えるか対話してみたい
プロダクト名を飲みながら決めようとか言っていたのですが、結局その話にはならずでしたw。餃子美味しかったです。